内臓の働きから自律神経を整える

五臓六腑（内臓）の働きが悪くなると、自律神経が乱れます。一方で自律神経が乱れることによって内臓の働きが悪くなったりします。

この内臓の働きと自律神経は密接に関係しています。

自律神経というのは、大きな括りですが、分解すると内臓神経などに分かれています。

よって、自律神経が乱れると胃の調子が悪くなったり、下痢になったりで内臓の働きによる症状が現れます。

東洋医学に基づく鍼灸施術は、五臓六腑を整え自律神経を改善させることが得意です。

「西洋医学」の内臓についての考え方

西洋医学では、肝臓や心臓など物質的に存在する【臓器】のことを指します。

病院で、心電図や血液検査などの【データ・数字・画像】で確認できる。

その検査結果、異常があれば、薬や注射、手術などで直接的に「臓器」に対して処置を行います。

隠れた病気はないか？肝臓の数値は正常か？などを数字的に判別する医療機関です。

「東洋医学」の内臓についての考え方

東洋医学では、肝の気の流れ、心の働き、腎の疲労など【五臓六腑の働き】のことを指します。

【データ・数字・画像】では判別できないので、問診・触診などで判別します。

病院での検査では、「異常がない」といった症状について東洋医学では細かく理論が存在します。

例えば、動悸の原因は、「肺の働きの低下」と判断できます。

他にも、イライラなどは、「肝の働きの異常」と判断できます。

このように、実際病気とまで診断されていない症状に対して東洋医学ではしっかりとした理論があり、施術方法が存在します。

症状別の五臓の異常

【肝の異常】
生理痛、目がくすむ・ぼやける、頭痛、回転性のめまい、のぼせ、まぶたのけいれん、イライラ、ドライマウス、高血圧、歯の食いしばり、脳の血流低下、冷え性、巻き爪

【心の異常】
不整脈、不眠、多汗症、心配事で「どうしよう」と考えがまとまらない、貧血、過労、物忘れ、胸の痛み・違和感、狭心症、寝汗、眠りが浅い（悪夢を見る）、躁鬱（そううつ）

【脾の異常】
無気力、手足のだるさ、生理不順、鼻血・血尿・血便、舌のむくみ、口内炎、食後のお腹の張り、消化不良、食べる量が減ったが体重が増える

【肺の異常】
声が出にくい、朝一の腰痛、過敏性腸症候群、便秘、末端の冷え、手足の汗、動悸、皮膚の症状、乾燥肌、おならがよく出る、円形脱毛症、鼻炎、花粉症、喘息、日中の頻尿

【腎の異常】
むくみ、夜中にトイレ2回以上行く、耳鳴り・難聴、精力減退、更年期、白髪、脱毛、骨粗しょう症、パニック、うつ病、老化、不妊、小さな文字が見えにくい

五臓（肝・心・脾・肺・腎）の臓器別の東洋医学の観点で、特徴を書いてみましたが、いかがでしょうか？

どの項目が多かったですか？

自律神経の不調といっても、これだけ細かく分類されます。

ここで注意点ですが、生理痛があるから「肝臓が悪い！」と臓器が病気に侵されているというわけではなく

あくまで「働き」の問題ですので、鍼（はり）を通して整えれば問題ありません。

＜当院の内臓アプローチまでの流れ＞

1.問診

初めて来院された方は、問診票を記入していただき、お身体のお悩みや不調をヒアリングさせていただきます。先ほどの五臓と症状についての関係から、主訴以外の症状もなるべく細かくお聞きいたします。根本改善を目指すためにも、お悩みはすべてお伝えください。

2.腹診（内臓の働きを確認）

自律神経というのは、1つの大きな神経のことを総称して言いますが、内臓神経など細かく分かれていることをご存じでしょうか。東洋医学をベースとした腹診というのはお腹を触診することで、五臓六腑のどの部分の働きが悪いかをチェックできます。よって脳神経から分岐した内臓神経の働きを高めることが可能です。そして、悪い部分があった箇所にシールを貼り、改善されたかどうかを施術後に確認できるようにしています。

3.鍼（はり）を印堂穴に１mm刺入します

まず、印堂（いんどう）というツボに鍼をしますが、このツボは脳・神経をリラックスさせる効果があります。初めての施術で緊張もされている方が多いので、施術効果を最大に引き出すためにもまず印堂を狙います。痛みが全くなくて「刺さっているか分からなかった」と全員から言われます。本当に全然痛くありませんのでご安心ください。

4.検査を基に、内臓（五臓）のツボに鍼をします

腹診にて、内臓の働きが低下している五臓六腑に対して、効果的なツボを選択し、鍼をしていきます。主に、仰向けの状態では手や足のツボを選択します。ツボは全身に360カ所以上ありますが、当院では厳選された24穴の中であらゆる不調に対応していきます。

5.カウンセリング

問診～施術までの経過を踏まえたうえで、「ここまで治ったら最高」といったゴールを決めます。また自律神経の不調が重症な場合は、自宅でのケアは進めていません。なぜなら「分かっているけどできない」という脳の状態だからです。まずは、施術をしっかり受けていただき自律神経の働きを整え、自分でも少し取り組めるようになった際に具体的なセルフケアをお伝えさせていただきます。

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